こんにちは。キートス統括園長の日向美奈子です。
年度末が近づき、保育園では一年のまとめの時期となりました。
今回は「保育園の行事」について、私の考えをお伝えしたいと思います。
多くの保育園では「年間行事予定」を設けていますが、キートスではこれを設定していません。
開園当初、「なぜ年間行事予定がないのか」「働く保護者にとって年間の予定がないのは困る」といったご意見をいただきました。
それでも年間行事予定を作成しない理由の一つは、行事を子どもたちにとって楽しく安心できるものにしたいからです。
例えば、運動会の時期は園によって異なります。
4月に生後3ヶ月の園児がいる場合、9月には生後8ヶ月、2月には1歳になります。
どの時期がその子にとって運動会をより楽しめるかは一目瞭然です。
保育は連続性が重要だと考えています。
年度末という概念がありますが、保育園における3月31日から4月1日への移り変わりは、子どもたちにとって大きな変化です。
進級の喜びを感じることは大切ですが、大人がその意味を過度に強調し、子どもたちに大きな変化を求めてしまうことには疑問を感じます。
年間行事予定を作成しないもう一つの理由は、まだ入園していない子どもたちや、現在お預かりしている子どもたちが、6ヶ月後・12ヶ月後に何に興味を持ち、心を動かされているかを予測することは難しいからです。
目の前の子どもたちの姿を大切に捉え、保育の連続性を尊重したいと考えています。
また、保育士も日々成長し、時には停滞を感じることもあります。
年間行事予定に合わせようとするあまり、「やらなければいけない」「なんとか間に合わせなければ」というプレッシャーが生じ、結果的に子どもたちにマイナスの影響を与える可能性があります。
保育に携わる皆さんの中には、「行事に追われている」と感じたことがある方もいらっしゃるでしょう。
私自身、キートスを立ち上げる前に勤めていた園で、行事が終わると次の行事の準備が始まるというサイクルを繰り返し、「行事は誰のため?」という疑問が年々大きくなりました。
自分のワクワク感が薄れ、それが子どもたちに伝わっていると感じたこともあります。
この経験が、私の行事に対する考え方(キートスの考え方)に大きな影響を与えました。
キートスは「人とのつながりを大切に『また明日も来たい』と思う保育園」を理念に掲げています。
行事もこの理念に基づき、「子ども」「保護者」「保育士」にとって「また明日も来たい」と思える保育園につながる“ねらい”をもとに企画することを重視しています。
行事は誰のためのものなのか、時折立ち返ることが大切ですね。
【プロフィール】
日本一バズる保育園を創った園長 日向 美奈子
“三刀流!保育園経営✕保育士✕現役大学院生“
【職歴】
2010年 株式会社ハイフライヤーズ設立
千葉市認可保育園7園/成田市認可保育園4園
役職:株式会社ハイフライヤーズ取締役社長 兼 保育運営本部 キートス統括園長
【学歴】
1997年 聖徳大学短期大学部保育科卒業
2020年 聖徳大学児童学部児童学科 児童心理コース編入 2022年 卒業
2022年 聖徳大学大学院 児童学研究科 児童学専攻 博士前期課程 入学
【所属】
一般社団法人日本保育連盟(理事/千葉支部長)
日本こども虐待防止学会
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