こんにちは。キートス統括園⻑の日向美奈子(ひゅうがみなこ)です。
今回はキートスの「荷物のいらない保育園」のサービスはどのように生まれたのかについてお話したいと思います。
キートスの「荷物のいらない保育園」はその名から想像する通り、本来保護者が用意して持参する、オムツやおしりふき、食事用エプロンや⻭ブラシ、お昼寝用の布団、洋服のすべてを園が用意して提供するサービスです。
最も特徴的なのは、これらの荷物の費用を保護者から一切徴収していないという点です。
メジャーになりつつある「オムツ等のサブスク」とキートスの「荷物のいらない保育園」の大きな違いは、利用料金を保護者が支払うか、園が負担するかです。
「“荷物のいらない保育園”をなぜ始めようと思ったのか」というご質問をよくいただきます。
きっかけは私自身の子育ての苦い経験からきています。
キートスを立ち上げる前、私は保育園で働きながら自身のこどもを別の保育園に預けていました。
これまで子育てしながら仕事をしている保護者の姿を保育士として見てきていたと思っていた私は、初めての【子育て+保育の仕事の日常】に衝撃を受けました!
家に帰ったら。。。
子どもの夕飯
子どもをお風呂にいれる
保育園から持ち帰った洋服やタオル等の洗濯
翌日の保育園の持ち物準備(オムツの名前書きやらエプロン・タオル・洋服の準備等)
子どもの寝かしつけ〜の自身の寝落ち
家に帰ってからも気持ちが常に走り続けていて、焦っていて、頭の中はタスクでいっぱいに。
このような状態の私が当然子どもの話を目を合わせてじっくり聴くことなんてできません。
このような日常を送っていたら、ついに子どもに異変が。子どもがどもり始めてしまいました。
この時の子どもの心理は、「早くママにお話しないと、寝る時間になっちゃう」というところだったのではと想像しています。
この時はさすがに辛かったですし、「このまま保育の仕事を続けていて良いのか」と本気で考えました。
保育園キートスを立ち上げた時、当時の私達親子のことが思い返され、「あの時の親子の姿は私達だけが特別だったわけではない」と思い、スタートしたのがキートスの「荷物のいらない保育園」です。
「保護者が仕事をしている間、子どもを保育するのが保育士の仕事」という視点からの脱却が必要です。
親子が保育園から家に帰った後の姿を想像し、保育園経営者・保育士として何ができるかを想像する視点を持つ保育園経営者・保育士が増えたら、親の育児不安・育児負担の軽減につながるのではないかと考えています。
結果、親の育児不安・育児負担が軽減されることで、子どもの話を「目を合わせて聴く」という子どもと向き合う「心のゆとり」が生まれるのではないかと期待しています。
お母さん・お父さん・家族に向き合ってもらえる時間は子どもの安心感につながるからこそ、 これからも私達に何ができるかを模索していきます。
最後に、以前、私は大学院で児童心理学を専攻していることをみなさんにお伝えしました。
大学院では、「親の育児不安」の研究をしています。
少子化対策の一環ともなる日本の子育 てに関する制度や手当は時代と共に拡充されつつあります。
「子育てしやすい国」を目指し、 国をあげて考え、制度や手当が進化しているにも関わらず、「親の育児不安」はその制度や 手当て等に比例して軽減されているのか疑問を持っているからです。
どうしたら親の育児不安が軽減され、子育てを楽しむ心のゆとりをもてるのか、保育園経営者 ✕ 保育士 ✕ 研究者の三者の視点で考えていこうと思います。
【プロフィール】
日本一バズる保育園を創った園長 日向 美奈子
“三刀流!保育園経営✕保育士✕現役大学院生“
【職歴】
2010年 株式会社ハイフライヤーズ設立
千葉市認可保育園7園/成田市認可保育園4園
役職:株式会社ハイフライヤーズ取締役社長 兼 保育運営本部 キートス統括園長
【学歴】
1997年 聖徳大学短期大学部保育科卒業
2020年 聖徳大学児童学部児童学科 児童心理コース編入 2022年 卒業
2022年 聖徳大学大学院 児童学研究科 児童学専攻 博士前期課程 入学
【所属】
一般社団法人日本保育連盟(理事/千葉支部長)
日本こども虐待防止学会
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